凡人が粘土団子による野菜づくりに挑戦するとこうなる

野菜の自給

もしこれから粘土団子を使った自然農法に取り組もうと考えている方は、私がハマったいくつかの罠に陥らないよう注意していただければと思い、この記事を書きます。

私たち夫婦はカフェを営んでいるのですが、コロナ禍以降休業中で、その休業の時間を活用して2020年の4月から粘土団子による自然農法に挑戦し始めて、もう1年以上はその取り組みを継続中です。

そんな私たちは、だいぶ時間を無駄にしてしまったのではないかと思っていることがあるので、その経験を時系列でお伝えした上で、なぜそんな風に思ったのか、その教訓となったことは何なのか、などを紹介します。

これから取り組む方はぜひ参考にしてください。

2020年4月から粘土団子づくりを開始

私たちは2020年の4月に粘土団子を作り始めました。

店の表と裏に粘土団子専用の畑スペースを設けたので、まずはその2箇所に撒いたんですが、思ったよりも粘土団子がいっぱいできて余り気味だったため、他にも通路の周囲や土手など、敷地内の色々なところに撒いてみました。

第一の罠

そして、いよいよ粘土団子の観察の日々が始まるわけですが、早速ここで第一の罠です。

開始直後は背の高い草などもなく、じっくり観察ができていたのですが、当然のことながら徐々に周囲の草が成長し始めます。

せっかく粘土団子付近から何かの芽が育ち始めているのに、草が邪魔で観察がしづらくなってきました。

そこでやってしまったのが、邪魔な草を刈ると言う暴挙です。

福岡正信氏が提唱している自然農法のスタイルからはかなり外れた行動をしていまいました。その行動が裏目に出たのかどうかはわかりませんが、結局粘土団子から出た芽はほとんど育つことなく終わりました。

この経験からの教訓ですが、「観察しづらいからといって邪魔な草は刈らないようにしよう」ということです。福岡先生は草も理由があってそこに生えている、とおっしゃられています。

第二の罠

草を刈ってまで粘土団子の観察を続けていましたが、なかなか野菜が育つ気配が感じられないため、夏になる頃には粘土団子に対する興味がどんどん薄れていきました。

暑い時期になれば当然草がどんどん成長します。敷地内の通路付近も当然歩きにくくなります。

そこで第二の罠です。

粘土団子に対する興味が薄れた私は、草刈り機で敷地全体の草刈りをするときに、粘土団子をまいた通路付近を大胆に刈ってしまいました。

粘土団子を撒いた頃は、「この辺とあの辺は絶対に草刈りしないようにしよう」なんて思っていたんですが、「どうせ何も出ないし・・・」という思いが頭をよぎり、バッサリと刈ってしまいました。

結局通路付近にまいた粘土団子は何の結果も出ないまま終わりました。

この経験からの教訓は、「ここは草がボーボーに生えても絶対に草刈りしない」と思える場所にだけ粘土団子をまくということです。

第三の罠

通路付近は草刈りしてしまいましたが、土手はほとんど手をつけずにいたので、土手にまいた粘土団子はまだ期待が持てます。

ところが、夏が終わり、秋になっても、土手から何かが育つ気配はありませんでした。

この土手にまいた粘土団子を作るとき、実はもう1つの罠にハマっていました。

私たちは土手で育つものは収穫作業が難しいのではないかと考えて、花や雑穀類など、成長したら明らかに見ただけでわかるようなものだったり、収穫が簡単そうなものだけを選び、わずか1種類や2種類の種だけを粘土団子に入れてまいてしまいました。

せっかく粘土団子をまいたのに、1年経ってわかったことはダリアや粟などはここの土手には合わないらしい、ということだけでした。

今にして思うことは、とにかくあらゆる種を含めて撒いておけば、別な何かが育つチャンスはあったんじゃないかということです。

晩秋にふと野菜のことを思い出す

粘土団子から何も育たないまま秋も深まってきた頃、また唐突に野菜を育てたい意欲が湧いてきました。

気づけばもう10月の下旬となっていたため、今更育てられる野菜なんて何もないじゃないかと後悔の念に苛まれながらも、11月の始め頃にのらぼう菜と絹さやえんどうをとりあえずセルトレーや鉢植えで育て始めました。

このときはまだどんな方法で畑をやるか決まっていませんでしたが、とにかく野菜をどうにか育てたいという思いだけで育て始めました。

このとき育て始めたのらぼう菜は、結果としては自然農を始めた直後から役立つ野菜として活躍してくれる事になります。

2021年は積極的な野菜づくりに取り組むことを決意

年が明けて2021年となったとき、私は今年の抱負を「野菜をいっぱい収穫すること」と周囲に宣言しました。

2020年はただ待つだけの野菜作りでしたが、それではなかなか野菜が育たないという現実を知り、今年はとにかく積極的に畑に取り組もうと決めました。

そして、できれば自然の力を活用した野菜づくりがしたいと考えて自然農法についての情報を漁っていた際に出会ったのが自然農です。

私が求めいていた「自然の力を活用した積極的な野菜づくりの方法」がまさにこの自然農だったので、その農法についての情報が豊富に出ているこのタイミングで野菜づくりに取り組み始められたことは運が良いと感じています。

粘土団子の野菜は忘れた頃にやってきた

極寒の2月から自然農の畝立て作業をやり始めて、3月にはその畝に昨年育てていたのらぼう菜などを移植する作業などをしました。

そんな時期、ふと粘土団子の畑にオレンジ色の何かが地面から顔を出しているのを発見しました。

それが粘土団子からの初収穫となる人参でした。粘土団子をまいてからおよそ11ヶ月後の出来事です。

この人参を見たとき、粘土団子での野菜づくりというのは、こんな風にあまり期待せずに待つものなんじゃないかと感じました。

初収穫のにんじんの美味しさは格別でした

その後、さらに粘土団子の畑でからし菜やルッコラなども育っていることがわかり、今後も粘土団子での野菜づくりを続けてみようという思いを強くしました。

そんなわけで、今年の4月にもまた粘土団子を撒いています。

今のところは全く野菜が育つ気配はありませんが、自然農で積極的な野菜づくりに取り組みつつ、忘れた頃に粘土団子から何かが育ってくれるのを楽しみに待ちたいと思います。

まとめ

まとめですが、粘土団子に取り組み始める際には次のことを心に留めておくことをオススメします。

  • 観察のために粘土団子付近の草を刈るという愚行は控える
  • 草刈りするかもしれないエリアには粘土団子をまかない
  • 「ここにはこの野菜や花が育って欲しい」という欲は捨てて粘土団子には様々な植物の種を入れてまこう
  • 粘土団子から育つ野菜は忘れた頃にやってくるため気長に待とう

以上が、私たちが粘土団子での野菜づくりに取り組んでみた経験からお伝えしたいことです。

参考にしていただけたら嬉しいです。

野菜を積極的に育てたいと思っている方は粘土団子と並行して自然農もやってみることをおすすめします。

粘土団子と自然農を比較してそれぞれの特徴を整理する記事もありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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もし粘土団子の作り方に興味のある方は、私たちの粘土団子の作り方を解説する記事も後日公開しようと思っておりますので、公開までもう少しお待ちください。

 

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