自然農を半年やってみて困った害虫8選

2021年7月13日

私たち夫婦は自然農を始めてからまだ半年程度ですが、そんな初心者だからこそお伝えできるのが、自然農を始めたばかりの畑がどういう状況かということです。

今回はそんな私たちが取り組んでいる自然農の畑で、ここ半年の間に困らされた虫をランキング形式でご紹介させていただきます。

畑や周囲の環境によって集まってくる虫は人それぞれだとは思いますが、未熟な自然農の畑に共通点があるとしたら、似たような状況になるかもしれません。

私がどういう対策をしたかなどもお伝えしておりますので、参考にしていただければ幸いです。

動画もあります

動画の方が見やすい方はこちらをご覧ください。

ちょっとクイズ形式になっているため、虫に詳しい方はどの虫のことなのか推測しながら観ていただけると、より楽しめるのではないかと思います。

自然農を半年やってみて困らされた害虫ランキング

8位 恥ずかしがり屋の芸術家・・・

ハモグリバエです。

ハモグリバエは葉の中に卵を産みつけて、そこで生まれた幼虫はその葉の内側から組織を食害します。

食べながら移動することでユニークな模様を残すため「エカキムシ」の異名を持ちます。

ここの畑では、のらぼう菜の葉に少し被害が出ましたが、それほど問題にはなりませんでした。

私の対策方法

静観。他の虫に比べたらかわいいものです。

7位 天然のストーカー・・・

ウリハムシです。

大好きなウリ科の野菜を見つけたら執拗に付きまといますが、行灯で見えなくなっただけで「無くなっちゃった・・・」と思いこむ天然キャラが人気のウリハムシ。

ここではズッキーニがまだ小さい時期に数匹現れ始め、1週間程度は様子を見ていましたが、葉が食べられ続けてしまい、その間はズッキーニがほとんど成長しませんでした。

私の対策方法

行灯を設置しました。

行灯
行灯
諦めるウリハムシ
諦めるウリハムシ

それまでしつこいくらいに張り付いていたウリハムシでしたが、行灯を設置しただけで来なくなりました。対策は容易な虫です。

新聞紙で作れる行灯の情報など、詳しく紹介した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

6位 謎の運命共同体・・・

アブラムシです。

一度つき始めたら移動せずに集団で野菜の養分を吸い続ける、謎多き虫です。

ここの畑では、のらぼう菜が成長のピークを過ぎた頃から白いアブラムシがつき始めました。これはダイコンアブラムシでしょうか。

小さいアブラムシが密集しているのがちょっと気持ち悪いため、その頃からのらぼう菜の収穫量は減りました。

私の対策方法

静観。

てんとう虫やヒラタアブなどが増えてくれるかもしれないと思いましたが、残念ながらあまり増えていないようです。

のらぼう菜をアブラムシが付いたまま切り倒して畝の上に置いてみましたが、そのアブラムシたちが別の野菜へ移住することはありませんでした。

5位 驚異的な鈍感力・・・

コナガです。

ひ弱そうな見た目とは裏腹に、どんな農薬を散布されても耐えてしまうタフな虫です。

ここでは5月下旬にのらぼう菜付近でコナガがひらひら飛んでいるのが目につくようになり、それから数日後、コナガの幼虫がのらぼう菜の葉を食べている様子が確認できました。

こちらがコナガの幼虫。

私の対策方法

静観。

のらぼう菜は結構たくさん植えてあったため、多少被害が出てもそれほど困りませんでした。一般的な畑では農薬が効きづらい虫として恐れられているようですが、自然農ではそもそも農薬を使わないので、ゴミムシやクモたちが食べてくれることを期待しています。

4位 悪くないのに嫌われ者・・・

ナメクジです。

結球レタスを自分の家だと思っているらしく、収穫した後にレタスの中からいっぱい出てくるという、苦手な人には耐えられないような状態となりました。

他の虫たちに比べたらナメクジの食害は大したことはないのですが、とにかく見た目が気持ち悪いというだけで人間にとても嫌われている虫です。

私の対策方法

結球レタス以外には被害があまり出ていないので、結球レタスの栽培を今後はしばらく見合わせることにしました。

サニーレタスやロメインレタスなど、結球しないレタスには住み着かないようです。

3位 つまみ食いの主犯・・・

キスジノミハムシです。

3mm程度の小さい虫なので存在自体気づきにくいのですが、アブラナ科の野菜の葉に小さな穴が開く被害が出たら、おそらく犯人はこの虫です。

ここの畑では小松菜や水菜など、割と成長の早いアブラナ科の野菜にポツポツと小さい穴が開く被害が畑全体に出ました。

私の対策方法

これも静観。

アブラナ科の野菜は他にも色々な虫から狙われていて、まともに収穫できた野菜と言ったら、寒い時期から育て始めたのらぼう菜くらいです。

春蒔きのアブラナ科野菜はとにかく色々な虫の被害に遭ったため、自分たちが食べることは基本的に諦めて、運よく収穫できたものだけ食べることにしています。

2位 神出鬼没の暗殺者・・・

ネキリムシです。

葉の一部を食べる虫はあまり気になりませんが、育ち始めた野菜の苗が根元から切られるネキリムシの被害は、残念さ加減が半端じゃないですね。

6月中旬くらいから被害が出始めて、その後次々と被害が出たため困りました。

私の対策方法

色々と調べた結果、ネキリムシの被害に合いそうなサイズの野菜は「トイレットペーパーの芯を3cmくらいにカットしたもので根元をガードする」という対策方法を発見したため、試してみたところ、その後はほとんど被害は出なくなりました。

ただ、被害に遭いやすいアブラナ科やナス科の野菜を全てこの方法でガードしたところ、これまで被害が出ていなかったセロリがやられてしまうという、予想外な展開となりました。

結局、倒されたら困る野菜は全てガードすることになってしまい、トイレットペーパーの芯を被せる作業が結構大変でした。

この対策をしても稀に被害が出ることはあります。

1位 派手好きな偏食家・・・

ナガメです。

カメムシの中でアブラナ科を好むのはこのナガメくらいです。オレンジの模様が特徴的ですよね。

一位がナガメというのに驚く人は多いかもしれませんが、ここの畑では、なぜかナガメが現在大量発生しています。

ナガメの幼虫がケールに集中

ナガメを見かけ始めた当初は野菜の葉が少し白くなる程度のことだったので、それほど問題はなかったのですが、現在は大きく育った野菜でさえも全体が真っ白になるくらいナガメたちに吸われてしまって、困っています。

私の対策方法

基本的には静観していますが、カメムシが集まらないようにするには風通しをよくしたほうがいいという情報があります。

梅雨の時期は雨が続き畑に入ることが難しく、畝に生えた草が大きく成長してしまうことで風通しが悪い状況になりやすいため、とにかく畝の手入れを丁寧にし続けることが対策となりそうです。

あとは畑の生態系が豊かになって、ナガメの天敵が増えてくれるのを待ちます。

自然農の畑をやってみると色々な虫と出会える

畑の経験がほぼ0だった私が自然農をやってみて感じたことは、普段の生活では全く意識することのなかった虫たちの存在に気づけるということです。

「アブラナ科にはやっぱりナガメが来るのかぁ」と感心したり、「小さいカマキリ、野菜にくる困った虫を頼むよ」と応援してみたり、畑で生活する虫たちの様子を観察するのは楽しいです。

自然農の畑は、野菜を収穫するだけじゃなく、これまで経験したことのない楽しさを体験できるものだと感じています。

最後に

もし自然農法に興味が湧いた方は、これから取り組み始める方向けの記事も公開してありますので、ぜひ参考にしてください。

野菜の自給

Posted by カオル