ソーラーパネルを使った電力の自給に興味のある方は多いと思います。
私は1万円のソーラーパネルと4万円のポータブル電源を接続するだけのソーラーシステムを日常的に半年以上使っているのですが、とても安定して使えています。
ノートパソコンやスマホ、タブレットなどの電力を日常的に十分に賄えるソーラーシステムがお手頃価格で手に入るという現実、皆さんはご存知でしたでしょうか。
私は最近まで全く知りませんでした。
【太陽光発電】素人でも自作できるソーラーシステム【ポータブル電源】
そこで、今回はいまだからそこリーズナブルな価格で入手できるようになった「お手軽」かつ「実用的」な電力の自給方法をご紹介します。
過去の記事では私が使用中のポータブル電源についてのレビューをご紹介しておりますが、あれから2ヶ月経過し、さらにソーラーシステムを改良したので、興味のある方はぜひご覧ください。
自動車用のバッテリーを使ったソーラーシステムは素人にはハードルが高い
ソーラーシステムの自作についてネットで検索すると、自動車用のバッテリーを使ったものが多くヒットするのですが、チャージコントローラーやインバーター、さらにそれらを接続するための配線など、素人では尻込みしてしまうようなシステムになっています。
そういったサイトではポータブル電源という選択肢が紹介されていないため、ポータブル電源とソーラーパネルだけでソーラーシステムが完成するという答えにたどり着けない人が多くいるのではないでしょうか。
ポータブル電源のソーラーシステムは誰でも導入可能
ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせて作るソーラーシステムは、購入した機材同士をただ接続するだけで完成するお手軽なもので、誰でも簡単に導入できます。
具体的な組み合わせについては後ほど紹介しますが、まずは参考として私が組み立てたソーラーシステムがどの程度利用できるかについてご紹介します。機材は全てアマゾンで購入し、総額は6万円ほどでした。
6万円のソーラーシステムで使用できる電気製品・使用回数
まずは、私が使用中のポータブル電源 (Jackeryポータブル電源400) をフル充電して使用した場合、それぞれの電気製品がどれくらい使えるかをご紹介します。
製品 | 使用量 |
---|---|
スマートフォン (iPhone5s) | フル充電 40回以上 |
タブレット (iPad) | フル充電 7回以上 |
ノートパソコン (macbook air) | フル充電 5回以上 |
LED電気スタンド | 40時間以上 |
※ それぞれ1種類のみを使った場合に使用できるおおよその数値です
実際のバッテリー容量から計算するともう少し使えるはずですが、これまで半年間使用し続けてみた体感も含めて、少なくともこれくらいは使えるだろうという数字を掲載しました。
これだけの電力を使えるので、緊急時には非常に役立ちます。
6万円のソーラーシステムをフル充電するまでの時間
100wソーラーパネル1枚とJackeryポータブル電源400との組み合わせで使用する場合、私の環境では晴天時に67w程度の電力が供給されるので、晴天が6時間程度続けばフル充電されます。
【充電時間の計算式】400wh (Jackeryポータブル電源400の容量) / 67w = 5.97時間
ただし、悪天候時は一日充電し続けても10%程度しか充電できない場合もあります。また、日の長い夏期はほぼ毎日フル充電できるのですが、日の短い冬場はおよそ50%(200wh)程度の充電で終わることが多いです。
ポータブル電源のバッテリーであるリチウムイオン電池の特性上、容量20%以下または80%以上になるのはあまり好ましくないだろうと判断し、なるべくバッテリー残量20%〜80%の間で使うよう心がけています。
日常的に使用する場合のソーラーシステム
日常的に使用するソーラーシステムは以下のような構成になります。
- ポータブル電源
- ソーラーパネル
- 1と2を繋ぐためのケーブル
- (延長ケーブル)
以上の1〜3を接続するだけで完結しますが、実際に設置する際には延長ケーブルも必要になる場合が多いと思います。
日常使用のソーラーシステムについての詳しい説明
外に常設するタイプのソーラーパネルにはMC4という規格の1mほどの長さのケーブルが2本備わっており、その規格にあったものであれば特別な道具を使わずにワンタッチで接続が可能です。
ただ、ポータブル電源はMC4規格のケーブルをダイレクトに挿せるようにはできていません。
そのため、MC4のケーブルをDCという規格に変換するものを間に挟む必要があります。
また、今回参考例としてご紹介するMC4をDCに変換するケーブルは1mほどの長さしかないので、外のパネルと室内のポータブル電源を繋ぐためのMC4延長ケーブルも必要です。
ソーラーパネルの固定、外と中の配線だけは必要
日常的に使用する場合、ソーラーパネルは外に常設するため、風で飛ばされないようしっかり固定しなければなりません。私はDIYが趣味のため、木の枠を作って固定していますが、とにかく風に飛ばされないことだけ配慮すれば、固定方法は何だって構いません。
あとは外のパネルから伸びている延長ケーブルを室内へ引き込むルートの確保も必要となるため、気密性の高い家の場合はその経路をどうするかが問題になりそうです。参考までに、私たちはエアコンの室外機を外に出すための穴を利用して配線を引き込んでいます。
緊急時用のソーラーシステム
こちらはさらにシンプルな構成となります。
- ポータブル電源
- 折りたたみ式ソーラーパネル
以上です。
折りたたみ式のソーラーパネルにはポータブル電源と接続するためのケーブルが備わっているため、上記2品だけでソーラーシステムが完成します。
こちらの構成をお考えの方は、ポータブル電源と同じメーカーのソーラーパネルを購入することをお勧めします。パネル自体の価格は高めですが、確実な動作が保証される点と、トラブルが起きた場合のサポートも受けられるというメリットがあり、安心です。
安価な別メーカーのソーラーパネルを購入する際には、ソーラーパネルに備わっているケーブルとポータブル電源の差込口の形状が合っているかどうか、間違わないようしっかり調べた上でご購入ください。
私が現在使用中のシステムの具体的な組み合わせ
商品ごとの詳しい内容についてはアマゾンの商品ページをご確認ください。
上記の組み合わせで5ヶ月ほど使用し続けていましたが、最近さらに追加で以下の製品も導入しました。
追加購入した理由
ポータブル電源が1台だけだと、仮に日中の早い時間に満充電になってしまった場合、ソーラーパネルが生み出せる電力を吸収しきれず、せっかくのエネルギーを無駄にしてしまうことになります。
そんなときのため、予備としてお手頃価格のポータブル電源が1つ欲しいと考えていたのですが、検討を重ねた結果、1万円強という安さの割にスペックが魅力的なNEXPOWのポータブル電源を購入することにしました。
「パススルー機能を使えばいいんじゃない?」という疑問を持つ方がいるかもしれませんが、サポートへ確認したところパススルーの使用は非推奨という内容の返答を受けました。詳しくはJackeryポータブル電源400のレビュー記事をご覧ください。
新たに導入したNEXPOWのポータブル電源についてのレビューも公開しました。よろしければそちらもご覧ください。
マニアックなDCアダプタの話
ポータブル電源の業界ではDC入力に「外径8mm」という特殊なサイズを採用している場合が多く、Jackeryポータブル電源400もまさにそれでした。そのサイズに合わせてMC4 -> DC変換ケーブルを購入していたため、一般的な外径5.5mmのDC入力を備えているNEXPOWには使えず、購入から数日はソーラー充電できない状態でした。
そんな中、外径7.9mmを5.5mmに変換するレノボPC用のDC変換アダプタを見つけ「もしや使えるかも」という思いで試した商品がドンピシャで使用できました。
同じ悩みを抱えている方にとっては貴重なアダプタだと思うので、ぜひ参考にしてください。
DCサイズ変換アダプタ (7.9×5.4mm TO 5.5×2.5mm)
まとめ
電力会社から電気を購入した方が料金は安いですが、緊急時に電力を自給できるこのシステムはとても魅力的だと思います。
生活スタイルにもよりますが、少人数での生活であれば現実的にオフグリッドも視野に入るような時代になってきました。この生活を実践してみて、どうしても高出力の電力がないと困るのは冷蔵庫と洗濯機くらいでしょうか。ちなみに私たちはまだ冷蔵庫がなくては困る生活のため電力会社との契約は継続中です。
調理や暖房については電気をほとんど使わずにプロパンガスや灯油などで代用できそうです。
電力の自給やオフグリッドに興味のある方は参考にしてみてください。
私が使用中のソーラーシステム一式
- Jackeryポータブル電源400
- NEXPOW YP-150W (ポータブル電源)
- 100wソーラーパネル
- MC4 -> DC変換ケーブル
- MC4 延長ケーブル
- DCサイズ変換アダプタ (7.9×5.4mm TO 5.5×2.5mm)
ポータブル電源生活についての動画
半年間ポータブル電源生活をしてみた感想を夫婦2人で話している動画も公開中です。ぜひご覧ください。
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