【1ヶ月使用してみた感想】NEXPOWポータブル電源 YP-150W レビュー

今回は1万円前後の価格帯で購入できるポータブル電源「NEXPOW YP-150W」のレビューをお伝えします。

購入後まだ1ヶ月程度ですが、かなり詳細なレビュー記事になるので、1万円前後の価格帯のボータブル電源選びで悩んでいる方々には有益なレビューになっていると思います。ぜひ参考にしてください。

私はポータブル電源を日常的に使用しています

私たち夫婦はオフグリッドの生活を想定して、なるべく電気を使わない生活を実験しています。

100wソーラーパネル1枚でどれだけの電力を賄えるか試しており、その充電先としてポータブル電源を毎日利用しているため、普通の家庭環境では試せないようなヘビーな利用方法となっております。

こちらで使用中のソーラーシステムについて詳しく書いた記事があるので、興味のある方はそちらもご覧ください。

こんなことに悩んでいました

Jackeryのポータブル電源1台でそれなりに満足していたのですが、唯一残念に思っていたのが「日中の早い段階でバッテリーがフル充電になってしまった場合」でした。

まだ太陽光が降り注いでいるにもかかわらず、満充電のためソーラーパネルが生み出すエネルギーを吸収しきれないという状況が何日かあり、歯痒い思いをしました。

そこで、メインのポータブル電源ほどの性能は求めないので、サブ機として「そこそこの性能で安価なポータブル電源が欲しい」と思っていました。

パススルーを使えばいいのでは?

ここまで記事を読んだ方の中には「満充電になる前にパススルー機能を使って電力を消費すればいいのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、パススルー機能の使用は非推奨です。詳しくはJackeryポータブル電源400のレビュー記事に記載していますので、気になる方はそちらをご確認ください。

サブのポータブル電源の選定

私はアマゾンのレビューを参考にして買い物することが多いため、今回もアマゾンに並んでいるポータブル電源を詳しく調べ始めました。

1万円〜2万円程度で購入できる商品の中で最も魅力的なものを5ヶ月ほど検討し続ける中、どうしても「この商品だけは気になる」という機種があり、それが今回購入したNEXPOWのポータブル電源でした。

なぜこの機種だったか

なぜこの機種が気になったかと言うと、ズバリ「スペック」です。

「この価格帯でこんなスペックのポータブル電源があるの?」という疑問が湧いてくるほど、他にはない魅力的なスペックを備えています。

検討を開始した5ヶ月前の時点ですぐに購入しようかどうか迷ったのですが「NEXPOW」という、見慣れないメーカーの製品だったため、しばらく様子見の期間を設けました。

そして、その後も定期的にアマゾンのレビューをチェックしていたのですが、続々と高評価のレビューが増え続けていったため、いよいよ購入を決心しました。

いきなり初期不良

届いてすぐにソーラー充電を試そうと思ったところ、Jackery400で使えていた充電ケーブルの先端がNEXPOWには合いませんでした。

そのためコンセントからの充電を試すことになったのですが、何と充電がうまくいきません。

不具合の症状

バッテリーの残量を示すランプは0%からスタートして99%まで進むのですが、いつまで経っても100%にならず、諦めて充電を止めると残量が0%に戻ってしまうのです。

サポートの対応に難あり

あまり日本語が伝わらない外国人サポート

不具合について、アマゾンへ出品しているTAOTAOMAI氏へメッセージを送ったところ、メーカーサポートへ直接メール連絡をするよう依頼されました。

動画を要求される(連絡先はメールのみ)

不具合の様子をただメールで伝えるのではなく「症状がわかる動画を送ってほしい」と頼まれました。連絡先として指定されたのはメールアドレスだけです。

動画は容量が大きいためメールに添付できるサイズではありません。

TAOTAOMAI氏に色々と質問したいことはあったのですが、あまり日本語が得意ではなさそうだったので、どうすればいいかとりあえずこちらで勝手に検討した結果、以下の手順で動画を送ることにしました。

  1. スマホで不具合が分かる動画を撮影
  2. クラウドのファイル共有サービスへ動画をアップロード
  3. アップロードしたファイルへアクセスするためのURLをメールで送る

上記の作戦を実行し、複数回TAOTAOMAI氏とやり取りを重ねた結果、メールを送ってからおよそ3日後に、ようやくこちらの意図が伝わり、不具合であることが認められました。

不良品の返却ができない

すぐに代替品は届いたのですが、不良品をどうすればいいかの指示がないため、TAOTAOMAI氏へ質問したところ、以下のような返答が届きました。

尊敬するお客様
古い商品は返す必要がありません。彼を自由に扱う

・・・不良品を預けられてもこちらとしては困ります。とりあえず箱に入れて保管していますが、どうすればいいのでしょうか。

正常な製品が届いた

幸いなことに、次に届いた製品は無事正常に動作しました。

まずはデメリットからお伝えします。

1ヶ月使ってみて感じるデメリット

操作が分かりづらい

マニュアルには簡易的な操作説明しかなく、USB機器への電力の供給(電源ボタン1回押し)、AC出力(コンセント)からの電力の供給(電源ボタン長押し)、LEDライトの点灯(電源ボタン2回押し)など、とても分かりづらい操作方法でした。

バッテリー残量の表示がいいかげん

ノートPCにかなりの電力を供給しているはずなのに残量が80%以上残っていたり、そうかと思えば急に30%以上無くなったりと、バッテリー残量の表示ランプはあまりあてになりません。

ACの出力が110V

日本のコンセントは100Vのため、日本国内でのみ使用することが想定されている電気製品の場合は故障する可能性があるかもしれません。iPhoneなど世界規模で利用されている製品は問題なく使えます。

おそらく充電方式はMPPTではない

メーカー側がMPPTと謳っていないため、おそらくMPPT方式ではないと思われます。MPPT方式の製品と比較すると充電効率が悪くなります。

でもこの価格帯でそこまでの性能を求めるのは酷でしょうね。

ファンがうるさい

USBだけを使用している場合は全く作動しないのですが、AC出力を使用すると急に結構大きな音でファンが回り出します。ポータブル電源に大きな負荷がかかっているのかと心配になるので、AC出力はあまり使用していません。

1ヶ月使ってみて感じるメリット

メリットについては分かりやすいため、まとめてご紹介させていただきます。

  • スペック通りの性能はありそう
  • 価格の割に大容量
  • 純正弦波
  • 定格出力 120w (この価格帯では十分)
  • USB-C PDが利用できる
  • 懐中電灯としても利用できる

個人的に高評価なポイントは、Macbook Airを所有しているためUSB-C PDを使った充電は頻繁に使用しており、スリムなケーブルだけで利用できるこの環境はとても気に入っています。

DC変換アダプタのマニアックな話

ソーラーパネルが発電した電力をポータブル電源側で受ける時にはDCという規格の端子で接続することになります。

Jackery400が採用しているDC入力端子のサイズは外径8mmという特殊なサイズ、一方NEXPOWの方は外径5mmという一般的なサイズです。

私は最初に購入したJackery400でソーラー発電システムを構築していたため、ポータブル電源1台だけでソーラーシステムを利用している間は外径8mmのDCプラグを備えたケーブルしか所有していませんでした。

NEXPOWのポータブル電源にもそのケーブルを使いまわしたいと考え、DC外径8mmを外径5mmに変換するアダプタが無いかと散々ネットで探した結果、1つ使えそうなものを発見しました。

Lenovo製のPC用に作られた外径7.9mmを外径5mmに変換するアダプタです。
DCサイズ変換アダプタ (7.9×5.4mm TO 5.5×2.5mm)

内径のサイズも複数あるため、果たしてこのアダプタが利用できるかどうか不安でしたが、試しに購入してみたところ、バッチリ充電可能となりました。

こんな人に向いています

  • 安価なポータブル電源を試してみたい
  • 安定性よりも性能を重視する
  • サブのポータブル電源として安い機種を探している
  • 大容量のモバイルバッテリー的な製品が欲しい
  • 一癖あるサポートでもめげない精神力を持っている

どうでもいい話

この製品を動画で紹介しようと考えていたので「NEXPOW」は日本語でなんと読むのか気になり、その辺のことをTAOTAOMAI氏に質問してみました。

【私からの質問】
メーカー名(NEXPOW)を日本語で読む場合「ネクスポウ」で合っていますか?

【サポートからの答え】

尊敬するお客様
いいえ。エネルギーとして理解できます。

この件については、これ以上質問することを諦めました。

まとめ

色々と伝えたいことが満載だったため、今回も少し長めのレビュー記事となってしまいました。

Jackeryポータブル電源400を基準に比較してしまうと、バッテリー残量表示などの不安定さが目立ってしまい、最終的には「価格なりの品質だな」という評価となりました。

この価格帯でここまでのスペックを備えているのはとても魅力的なので、私たちのように日常的に使うような用途でない場合はむしろ十分な性能と感じる人が多いかもしれません。

逆に言えば、価格差3万円ほどもあるのに、それでもJackery400の方が満足度が高いと感じてしまうのが驚きです。

この記事がNEXPOWポータブル電源の購入を検討している方の参考になれば幸いです。最後にこちらで使用中のソーラーシステムの具体的な組み合わせをご紹介します。

今回は記事が長くなりすぎたため、Jackery400とNEXPOWを細かく比較する記事は次回改めて書くことにしました。単純にスペックを比較しただけではわからない、使用してみたからこそ比較できるポイントなどをお伝えしようと思っています。

電力の自給

Posted by カオル